221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 Nizi Projectの東京予選には「スター性」という評価軸が存在した。オリジナルのラジオ番組やテニス講座が記憶の中では鮮明だが、ざっくり言えば自分だけの特別な個性を表現するパフォーマンスがテーマだったと思う。それでスター性なる能力が本当に測れるのか、そもそもJ.Y.Parkが考えているスター性とは実際のところ何なのか、番組内である程度までは言語化されてはいるものの、主観を剥ぎ取ることがとても難しいという意味で、自分を含め視聴者にとってはどうしても曖昧な部分が残る評価軸だと感じやすいのではないだろうか。

 とはいえ、絶対的な見定めに難しさを覚えるというだけで、その軸自体や結果に不満があるわけでは全くなくて、これはむしろスター性がアイドルにとって凄まじいウエイトを持っていると最近よく感じているからこその蒸し返しである。もっとわかりやすく言うと、例えばIVEのウォニョンを見たときの、浴びることを避けられない輝きの話をさせてほしいのだ。

 

 一見したときの印象、シンプルなビジュアルとして彼女のことを好きかと問われたら、僕は正直そうでもないと答えるだろうし、何回も見た上でもそこが大きく揺らぐわけではない。それでいて、ステージやパフォーマンス、極端な話インタビューや舞台裏でも、スッと視線を吸い寄せられてしまうのはいつもウォニョンで、この力が一体何なのかと考えたときにふと浮かぶのが「スター性」なのである。TWICEで言うとナヨン、NiziUで言うとミイヒ。どちらもいわゆる一番の推しメンではないけれど、ぐいっと心と視線を引っ張って離さないパワーはそれぞれ常に圧倒的で、グループの『Queen』のように思えてしまう。彼女たちが立っている場所は、もはや努力でも運でも追いつけないような遥か遠くのようで、この言葉では言い表せない魅力におとされたとき、この人たちはアイドルになるために生まれてきたんだな、と感じざるを得ない。そしてそんな彼女たちがいるグループは本当に特別な形でこの世に現れて、スター性の粒子が全体に行き渡っているような輝きを感じられるのだと僕は思う。

 

 IVEに関しては、正直グループ名から驚いてしまう。あまりに変幻自在でリーチが長い。誰かが思いつきそうなものなのに、まだ残っていたんだなぁという感じ。年末の賞を掻っ攫ったいま言ったところで後追いでしかないのだが、もう見ずにはいられない。