221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 僕の母は「MUSIC ON! TV」なる音楽チャンネルで韓国の音楽番組の再放送をやる日程をなぜか把握していて、今日も我が家のリビングでは2016年末のSBS歌謡大祭典が流れていた。脳内に刻み込まれたTWICE暦を辿ってみると、2016年といったらやはり爆発的に売れた、というよりも何ならむしろTWICEの名を爆発的に売った2曲がリリースされた年である。その頃はまだ出会っていなかったこともあり、個人的にはそこまで思い入れの強い楽曲でもないのだけれど、『CHEER UP』に関してはそういえばつい先日のMAMAでは第4世代によるカバーもあったりと、ちょうど今が改めて聴きたいし見てみたいタイミングだった。

 今でも第一線のグループや、名前だけ聞いたことがあるグループ、解散してしまったグループなど、それぞれ楽しませていただきながら、いよいよ待ちに待ったTWICEのステージを目の当たりにしたとき、瞬きも勿体無く思われる時間に速攻で包み込まれてしまった。ちょっとあまりにかわいすぎる。もう長いこと好きなはずなのだけれど、好きになるかと思った。あの特別な輝きは何なのだろうか?テラスタル?自分が出会う以前のTWICEの映像は、色々な機会に見てきたけれど、2016年の年末の彼女たちに撃ち込まれる衝撃というのはもしかしたら今までは経験不足で、好きになる前日譚が補完されたような心持ちになった。

 

 めちゃくちゃ良かったな......と思っていたら、J.Y.Parkプロデュースのダンスステージというもう初手から期待しか感じさせない何かが始まり、SEVENTEENとGOT7とヨジャチング、そしてTWICEが歴代JYP曲を披露し始めたので、情緒が複数の角度から壊れそうになった。こんな映像が確かに存在していてどこかでは見た気もするけれど、おそらく全編通しては見ていなくて、さらにNizi Projectまで通ったことでJYP曲の沁み方も格段に変わっていて、無駄なく綺麗に心に効いた。音楽との思い出というものは時間の流れとともに美しく咲くものだなと、何か詩的な悟り方すらさせられてしまうパフォーマンスは圧巻だった。

 僕が思うアイドルの良さって、こういうことなんですよね。「アイドルは職業とかではなく現象だ」と言っていた人がいたけれど、それも少しわかる気がする。

 あの特別な輝きこそが、アイドルの本体なのかもしれない。