221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 これがきっと節目というものなのだろう。このところ、僕がこれまで過ごしてきたONCEとしての小さな歴史が繰り返しているかのような、何かと過去のある一時点を思い返させられる日々が続いている。

 

 TWICEが約3年ぶりに、Mステのスタジオ生出演をしてくれた。僕が最初に見た彼女たちのパフォーマンスは、過去映像として流れたあの『TT』だったはずだ。思い返せばあれが出会いの瞬間であり、強い意識を向けることもなく流し見していた当時は、5年後にこんなことになっているとは予想もしていなかった。

 日本デビュー5周年を迎えた中で、こんな風に最初にTWICEについて書いたブログ記事は日本デビュー2周年にかこつけていたことも思い出す。内面まで愛することが正しいオタクとして語られがちな雰囲気に対して、生意気ながらも顔ファンの誠実さについて語ったあの日から、ビジュアルを讃えることへの遠慮から少しだけ解放されたような気がする。今も全く同じ気持ちなのかと問われたら、それは少し言葉に詰まるのだが、基本的にはそのスタンスを貫いているつもりだ。ただ、メンバー間の関係性や言動に対して感じられる愛情が増えたことも事実で、それはこの3年間で着実に伸ばすことのできた、かつての伸び代なのだろうと思う。

 Venue101でのTWICE特番も、やたらと感慨深かった。前番組のシブヤノオトで運よく参加できた番組観覧は、今でも僕の中で最も幸せだったTWICEとの思い出である。純粋に楽しさだけで泣けた日は、人生であの日しかない。この日の「日記」は多くの人から嬉しい感想もいただけたので、ブログを書いた思い出としても強く印象に残っている。あの頃のままとは行かないまでも、彼女たち自身による進行などからかつてを思い出し、また、TWICEドームツアーの歴史に自らを重ねながら、じんわりと心に響くものを感じた。

 

 感動とは流れた時間の産物だと僕は常々思っている。例えば、TWICEを長いこと好きであるがゆえに、TWICEにはその大いなる歴史のパワーで心を動かされやすい。ただ、だからこそ、時間から切り離されたある瞬間に対して込み上げる感動には大きな意味を感じる。

 9人が並んでステージに上がっていき、金色の光に包まれながら踊るあの場面。あれが初めて見たTWICEのパフォーマンスだったとしても、僕はきっと彼女たちを好きになっていたのではないだろうか。