221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 コムニョンさんが好きすぎて無理。

 

 これに関しては、俗にいうところの女オタ構文にならざるを得ない。実際に無理になってきたので。ある種のブームに彼女が包まれる前、具体的には『無法弁護士』というドラマを見たときから鋭くかつ滑らかに刺さりに刺さっていたので、言ってしまえば今回を以てその傷が深くなったというそれだけの話ではある。まあ彼女自身には色々と問題があった(その原因となった過去が事実なのかは定かではないけれど、とりあえず現象としての問題が生じたという意味で)ようだけれど、好きになるかどうかという観点からすれば、僕にとってそんなことはサンガンオプソな話であって、あの傷を抉るような美しさと微笑みは、他の誰にも代えられないような気がする。

 そんなに好きだったならさっさと見とけ、というご指摘は仰る通りで、ぐうの音も出ないのだが、僕はときどき「好きになりそうだからこそ見ない」という選択肢を選び取ってしまうことがある。Twitterや世間の様子を伺っていれば、僕でなくとも彼女の魅力の毒が激しめに回っていることは予めわかっていたので、むしろ今までは警戒心によって見ていなかったと言ってもいいのかもしれない。あるいは、ショートケーキのイチゴを最後に食べるように、明らかに価値があるとわかっているもの、今回で言えば完全に「やられる」ことがわかっているドラマは、過剰に大事にするがゆえに先送りしてしまう性分がそうさせたのかもしれない。とにかく、今現在感じている「好きになることがわかっていながらにして見ていなかったものをようやく見て、やっぱりというか想像以上に好きだった」の強烈さに脳をやられている最中なので、少なくともこのタイミングで見てこの感情を感じられるのであれば、ここまで溜め込んできたことも、最適解とは限らないが正解のひとつではある、くらいに思っている。

 

 たまに優しい人たちが「彼女を作れそう」などと言ってくれるのだが、そんな言葉をありがたいと思いながらも感覚として無理だと諦めていたのは、タイプの女性のひとりとしてコムニョンを掲げてしまいかねないような、自らの末恐ろしい非現実性を自覚しているからだと気づかされた。

 ということで、今日も狂った理想と『Dance The Night Away』しながら、この熱帯夜を可能な限り爽やかに過ごしていこう。現実の外で思考を踊らせるのがいちばんいいからね。