221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 TWICEの再契約発表、衣装展参戦、本国カムバ予告、日本曲MV公開。これら全てが一週間、いや正確にはその半分程度の日数の間に訪れたという事実は、実際に歓喜の波に呑み込まれ、全身が丸ごとひっくり返されるような大きさの感情を味わい、余韻に目が回っている今現在でも信じがたいくらいである。このうち一つの出来事について感想を書いてくださいと言われたとして、どれを選んでも1記事だけでは余りある言葉が浮かぶのに、まとめてやってこられたら一体どうすればいいのだろうか。

 おそらく人間が同時に感じられる感情にはキャパシティ、つまり上限がある(そしてこれは滅多に超えることはないはずなのだが)から、この一週間で感じることができた感情の総量は、ひとつひとつがある程度の間隔をあけて生じた場合に感じられる感情の総量に負けてしまうのではないか、とすら思わされる。ただ一方で、その掛け合わせでしか感じられない種類の感情や、連続することで初めて生まれる意味というものがあり、自分の人生においてはこの一回限りしか味わうことのできない類のものなのだろう、とあまりに現実味のない幸せの集合体を前に思っている。

 TWICEの未来が存在することが確約された状態で見る過去のライブ衣装は、未来のライブ衣装にまで想いを馳せさせてくれる。白とピンクという安心感のある配色で予告されたカムバも、再契約があるからこそ「集大成」ではなく「新たな始まり」を予感させてくれる。もしかしたら史上最高かもしれない日本語楽曲『Celebrate』も、この5年間を振り返らせてくれると同時に、彼女たちによる詞がただの理想を載せた歌詞ではなく、あまりに素晴らしいこの現実に沿った言葉だということを感じさせてくれる。こんな幸せと愛の連鎖を、ただのしがないオタクが受け取っていいのだろうか?なんと、いいのである。それがTWICE。

 衣装が展示されていたひとつ上の階にあるフードコーどでは、TWICEの日本語楽曲MVが流れていた。唐揚げを食べ、レモンスカッシュを飲みながら、よみうりランドの天候やら、メンバーのハイタッチの様子やら、ワンスと当時のしょうもない思い出話をしたあの空間も、まるで最新曲MVへの伏線のようで、またいつか同じような話をするその日に、軽く被った埃を払いながら、思い出として取り出されることになるのだろう。

 

 TWICEのみんな、本当にありがとう!