221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 TTTのSoulmateシリーズが完結した。

 Twitterでの周りの反応を見る限りでは、どうやら歴代TTTの中でも人気作といった雰囲気が見受けられ、確かに新鮮で魅力的なシリーズだったように思う。加えて、今までのTTTの登場人物がそのキャラクターのままに再登板してぶつかり合う、いわばTTT界のスマブラのようなカオスが繰り広げられるシステムがとても好きだったので、他の登場人物たちにも別企画でぜひもう一度会わせてほしい。

 

 ところで、Soulmateを通じて自分自身と向き合った結果、改めて気づかされてしまったのだが、僕は人間関係の構築に対して感じる精神的コストがおそらく狂っている。ああいう風に、参加者たちによって織り成される複雑な関係性、およびそれに伴う感情の交錯や理性的な画策を見ていると、どうしようもなく居心地の悪さを感じてしまうのだ。今回に関しては完全な作り物だと分かっているのにも関わらず、そうなのである。もちろん面白かったのだけれど、そこに充満する空気の面倒臭さに勝手に入り込んで、しんどくなってしまうところがある。

 そもそも、Soulmateは言うまでもなく、恋愛リアリティあるいは恋愛サバイバルと呼ばれる番組の再現である。もしかしたら、オーディション番組にも共通する部分があるかもしれないが、あの手の番組は、濁った部分を多分に含む人間の「リアル」をやけに綺麗なパッケージで送り出すという印象がある。

 友達を見つけるでも恋人を作るでも何でもいいのだが、何か「幸せなゴール」が定められていて、参加者の一部がそのゴールに辿り着く。すると、視聴者はぱっと見のハッピーエンドと、ハッピーエンドから見れば逆算的によかったと思えるような、幸せまでの過程を見ることができる。参加者や舞台もスタイリッシュに整えられており、Soulmateも『21:29』などのゆったりした曲をバックにして、幸せを見つける洒落た番組感を醸し出していた。

 が、人間関係をめぐる駆け引きがこの世でいちばんエグくてストレスのかかる代物だと思っている僕は、「ガワだけ整えられても......」という負の思いを抱えずにはいられないのだ。逆に、そういう「嫌さ」の再現まで含めて、流石のTTTクオリティだったと思う。

 

 そんな僕にとっては、正直Crime Sceneの方がよっぽど心穏やかに視聴できる。シーズン3を楽しみにしています。