221番道路

『しんかいのウロコ』を持たせて通信交換

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 この土曜日は、一日中THE MUSIC DAYを見ていた。約8年前、AKBに初めての推しができてからというもの、こういうやたら長い音楽番組を見ることに意味が生まれ、最近に関して言えばその目的がNiziUに変遷してはいるのだが、とにかく毎年欠かさず見ているのではないだろうか。しかしながら、僕がAKBに推しを見出すきっかけの一つとなったのはこういった音楽番組であるという事実に鑑みると、アイドルに興味を持つ前から見ていたことは明らかで、となると僕がオタクになった根本的な原因は家庭環境にあるのだと思う。

 長いときには10時間以上にも及ぶ生放送の番組も存在する中、ずっとテレビを付けっぱなしにして、スマホをいじったりしながらもなんとなくテレビの辺りに陣取って過ごすのが恒例となっているのは、冷静に考えてみると決して平均的ではない気がする。これを中高生の頃くらいから続けていれば、当然好きな音楽、好きなアーティスト、そして好きなアイドルの少なくともいずれかが発生する確率はとても高い。そして、僕は幸か不幸か元からオタク的素質(特定の何かの濃いファン的な意味ではなく、性格や嗜好的な意味)を有していた。これらが相まった結果、つまりは生まれと育ちの掛け算として、僕の人生ではアイドルオタクの道が選択されたのだ。

 

 ところで、人がアイドルオタクになる至近要因としては、僕のように音楽番組で見つけたことや、誰かに勧められたこと、最近であれば偶然サジェストされたことなどが中心的だと考えられる。ただ、それでも好きにならない人もいるわけで、やはりオタクになるには前提としてハマる素質を持っていることが必要なのだと思う。裏を返せば、その重要な素質を持っていた上で好きなアイドルと出会ってしまった場合、ここまで来るともはや『I CAN'T STOP ME』といったところで、自分の力では止まりようがなく、止まろうとも思わない勢いで走り出してしまうのではないだろうか。

 だから、ついエピソードベースで答えがちな「どうしてアイドルを好きになったのか」という質問に対しては、そうなりうる人間がそうなりうる環境に身を置いていたから、というのが本質なのかもしれない。鳥が空を飛んだのは、天敵から逃げるためというだけでは足りず、まず翼を持っていたからなのだ。

 

 そんなことより、清々しいほど爽やかに吹き抜けた夏のNiziUは最高でした。